【平成30年度】企画委員会

 本事業では「企画委員会」を組織し、女性が就業を中断する要因や再就職行動についてのアカデミックな知見、企業側の人材採用ニーズも踏まえた上で、女性のキャリア形成に役立つ再就職支援事業のあり方を研究、討議します。また、女性の学びとキャリア形成・再就職支援を一体的に行う仕組みづくりの実証事業(4ヵ所)を視察し、多様なモデル事例の分析等を行います。それらの成果は「研究協議会」(2019年2月24日開催)にて報告します。

企画委員名簿

(50音順)
木須 八重子 公益財団法人せんだい男女共同参画財団理事長
特定非営利活動法人全国女性会館協議会常任理事
桜井 陽子 東京都世田谷区男女共同参画センター館長
特定非営利活動法人全国女性会館協議会顧問
白井 文 グンゼ株式会社社外取締役
一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団業務執行理事
杉浦 浩美 埼玉学園大学准教授
瀬山 紀子 埼玉県男女共同参画推進センター事業コーディネーター
特定非営利活動法人全国女性会館協議会常任理事
竹原 正篤 法政大学特任准教授
特定非営利活動法人全国女性会館協議会理事
中野 洋恵 独立行政法人国立女性教育会館研究国際室長
納米 恵美子 公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
特定非営利活動法人全国女性会館協議会代表理事
平成30年度「男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業(研究協議会)」
内容 開催日時 場所 記録
第1回
企画委員会
2018年08月02日(木)
15時~17時
日本女子会館
小会議室
第1回企画委員会 次第
資料:「男女共同参画センターにおける就業支援事業について」
資料:「放送大学オンライン講座~女性のキャリアデザイン~について」
第2回
企画委員会
2018年10月26日(金)
10時~12時
日本女子会館
小会議室
第2回企画委員会 次第
資料:「女性の就業状況をめぐる動向」について
第3回
企画委員会
2018年12月21日(金)
10時~12時
日本女子会館
小会議室
第3回企画委員会 次第
資料:「女性の就労意欲とキャリアパターン」について
第4回
企画委員会
2019年2月15日(金)
13時30分~15時30分
シェアワークスペース・ティートゥリースタジオ 第4回企画委員会 次第

委員よりひとこと

白井 文 氏

一般財団法人大阪府男女共同参画推進財団(ドーン財団)業務執行理事の白井文です。私は高校卒業後就職、その後政治の世界に入り市議会議員や市長を経て、上場企業の社外取締役で、今まで女性がマイノリティである「政治や経済」の分野を経験してきました。又、働く女性たちと日々向き合いつつ、ドーン財団を通じて困難を抱えている女性たちの支援もさせていただいています。それぞれの立場で悩んだり苦しんだりしている女性たちを支援するには「personal is political」の視点、男女共同参画社会の実現が不可欠です。
この事業を通じて、女性たちが誰一人取り残されることなく活き活きと生きていける社会に近づくことができれば、と願っています。

杉浦 浩美 氏

埼玉学園大学の教員です。研究者になる前は編集者として16年間、出版社に勤めていました。その時の「働く女性」としての経験が、いまも研究の起点となっています。長く研究課題としてきました「妊娠期の女性の働き方」「マタニティ・ハラスメント」というテーマは、近年大きな社会的な広がりをもちましたが、私自身、現在もライフワークとして取り組んでいます。日本女子大学現代女性キャリア研究所に客員研究員として在籍していた時代に、「再就職支援」「リカレント教育」に関する調査研究にかかわりました。大学のリカレント教育は「学び」や「意欲を高める」という点では大きな力を発揮していると思うのですが、それが具体的な「再就職」とうまくつながっているかという点では、まだ課題を有しているのではないでしょうか。地域の女性センターや男女共同参画センターが実施している再就職支援とは、また違う課題を抱えていると考えます。そうした観点からも議論を深めていければと思います。

竹原 正篤 氏

今は法政大学で研究者という立場にありますが、2016年まで日本マイクロソフトに約10年間勤務していました。マイクロソフト在勤中に社会貢献部長を約3年間勤める機会があり、大きな社会貢献プログラムの1つとして「困難な状況に置かれている女性のためのIT研修」の実施を全国女性会館協議会さんとパートナーシップを組んで、全国の男女共同参画センターの皆さんに企画、実施いただきました。この経験を通じて、日本では「困難な状況にある女性」の就労支援が継続して求められており、ITスキルの習得はニーズが大きい分野であることを痛感し、支援の必要性を社内外に訴求することに努めました。現在大学では、「企業の社会的責任(CSR)」や、「ESG (Environment, Social, Governance)投資」、「企業の持続可能性」等、企業と社会との関係を中心に調査・研究しており、「女性の活躍支援」や、「困難な状況にある女性の支援」に企業としていかに取り組むべきかという視点もその中に含まれます。今回本プロジェクトにお声がけいただいたので色々と勉強し、少しでも貢献させていただきたいと考えております。

中野 洋恵 氏

国立女性教育会館で「女性のキャリア形成」に関する事業や調査研究を担当してきました。文部科学省の付属機関だったので、以前は、働いている女性の課題は厚生労働省の所管と考えられており、働く女性を対象とはしていませんでした。「女性の地域活動」、「地域を考えながら政治に参画する」「NPOを立ち上げる」や「地域課題の解決に向けて何ができるか」などをテーマに調査研究してきましたが、女性のライフスタイルが大きく変化しているなかで、女性のキャリア形成を考える際、働くこと、仕事は外せなくなっています。今は「男女の初期キャリア」「企業における働き方」「ワークライフバランス」をテーマに研究や事業を展開しています。また、放送大学では「女性のキャリアデザイン入門」と「キャリアデザインの展開」というオンライン講義を行っていますが、現在キャリアについて考えたり悩んだりしている人が、女性も男性もとても多いと感じます。この事業が多様な生き方を支援する女性のキャリア形成に役に立つことを期待しております。