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2月17日(月)、東京ウィメンズプラザ・ホールにて、(1)大学が中心となった女性の学びとキャリア形成支援、(2)困難な状況にある女性のための学び直しを通したキャリア支援をテーマに、基調講演やパネルディスカッション、ポスターセッションを行いました。
本事業は文部科学省令和元年度「男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業」として実施したものです。
主催者あいさつ
文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官 寺門成真
社会の多様性と活力を高め、我が国が力強く発展していくためには、女性がその個性と能力を十分に発揮していくことが何よりも重要です。文部科学省においても、女性の一層の活躍推進を目指し、誰もが生涯にわたって学び続け、チャレンジし続けられる機会の確保に向けて、リカレント教育の拡充等に取り組んでおります。学びを通じた女性のキャリア形成の仕組みづくりに取り組んでいる皆様が一堂に会し、課題を共有し取組の推進を図る機会としていただくことはとても意義深いものです。大学、地域において同じような立場で御尽力いただいている皆様にとってのヒントとして、今後の活動の発展に繋げていただければ幸いです。
本事業の成果とまとめ
「大学が中心となった女性の学びとキャリア支援」検討会報告
報告者:全国女性会館協議会代表理事、公益財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事・事業本部長 納米恵美子
「困難な状況にある女性のための学び直しを通したキャリア支援」検討会報告
報告者:全国女性会館協議会理事、岩手県男女共同参画センターセンター長 山屋理恵
基調講演
学校法人昭和女子大学理事長・総長 坂東眞理子さん
「人生100年時代を生き抜くために~可能性を拓く女性の学び~」
基調講演要旨
●人生100年時代のライフ・シフト
これまでは、男性は20代前半まで教育を受け、20代~60代まで初職で就いた仕事を継続し、60代で現役引退という3ステージを直線的に進み、女性は家庭の都合やパートナーに合わせて人生を歩むことが一般的でした。しかしこれからの人生100年時代は、男女ともに子育てなどの家族生活と仕事の両立、学び直し、副業、ボランティア、転職、起業などライフコースはマルチステージ化しています。
●女性にとっての人生100年時代
「結婚適齢期」は過去の話となり、働く女性にとっては自身のキャリア確立と出産のタイミング、育児の分担を考えることが重要になっています。「もしかして親の介護があるかもしれない。だから新しいことに挑戦ができない」「もしかして夫の世話があるかもしれない。だから新しいことに挑戦ができない」と思いこんでいる女性が多いがそれは既に過去の話です。人生100年時代を生き抜くために、常に学び直しをしながら、今の自分に必要なことを考えてほしい。
●女子大学の使命
明治時代から戦中にかけて、「女性に学問はいらない」という考えのもとに、女性は高等教育から排除されていました。そうしたなかで、女子大学は「良妻賢母を育てる教育」を使命として掲げました。戦後は法制上の男女平等・男女共学教育となって女性の高等教育への進学が増加しましたが、「男は仕事(サラリーマン)、女は家庭」という性別役割は維持されました。現在は女性のキャリア教育やリカレント再就職支援も女子大学の使命であると思います。「どうせ女の子なんだから」「成績がよいとモテない」「無理しないでほどほどがいい」などの「女子への呪い」からの解放が必要です。
●女子大学のリカレント教育の困難さ
女性がリカレント教育の受講を検討する場合、リカレント教育の授業料の工面、学びへの投資が正当に評価されるか等、さまざまな不安や迷いがあるのが現状です。女性は何のために働くのかという目的(経済的自立、社会的課題解決、人間的成長・生活の充実等)を明確にする必要があります。
●最後に
学ぶ目的を自ら設定し、自分で人生設計をし、常に学び直しをしながら生きることが大切です。決して学ぶことを目的にせず、学びを社会に生かすことをめざせば、人生100年時代を生き抜くための可能性が拡がります。
ポスターセッション参加団体一覧

パネルディスカッション
「多様なニーズに対応するキャリア支援の可能性と男女共同参画センターの役割」
「女性」と一口に言っても状況は多様です。それぞれのニーズに対応し、いつからでも参加できる学び直しのプログラムおよび、男女共同参画センターが果たせる役割を中心にディスカッションを行いました。
コーディネーター:
埼玉学園大学准教授 杉浦浩美
登壇者:
福岡女子大学教授 野依智子
立教大学教授 湯澤直美

男女共同参画センター横浜南館長 小園弥生